株式会社 Jコスト研究所

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J-Cost Research Center

連載コラム 『Jコスト改革の考え方』目次はこちら

2017年1月より、『Jコスト改革の考え方』というコラムをおよそ月に一度の頻度で更新していきます。

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2020年12月

2020年末のご挨拶

1年間のご愛顧ありがとうございました.

『東京オリンピックの年!』と一杯の希望と期待と持って迎えた2020年でしたが,新年早々から全世界が COVID-19パンデミックの襲撃に遭い,大変な年でした.その2020年も早いものでもう冬至となってしまいました.

1年間を振り返ってみると『疾風に勁草を知る』という言葉がありますが,全世界が同時に同じ困難に遭遇した事によって,強い風に押し倒される草と,凜として耐え抜く草(勁草)の存在が顕在化しました.

国のTopの指導力の差が顕在化し,台湾,ニュージーランド,ドイツのTopは女性で,指導力に長けていました.不幸にも日本の行政は勁草ではなかったこと.民間各社の業務推進体制,特にデジタル化も勁草ではなかった事が『リモートワーク化』で明らかになってしまいました.

個人としても,この事態に遭遇し『自分は会社で回覧書類を読んで昼飯食って帰るだけ』だった事を思い知らされ,ショックを受けている方も多いのではないでしょうか.ショックなのは,75年前までは日本だった『韓国』や『台湾』に対しても,大きく出遅れているということでした.今後の世界の中での日本の立場が心配になります.それを受けて菅内閣は,ハンコゼロ運動から始めて,行政のデジタル化を推進し始めました.皆様に会社は如何でしょうか?行政に遅れないように改革がすすむことを祈ります.

先回このコラムで,10月以降感染が伸び最大級の第3波が来ると書きましたが,残念にも,その悪夢の方向に進んでいます.ワクチンが実用化されたという朗報がありますが,これが行き渡り,鎮火させるまでに約1年かかるでしょう.ということはまさに来年1年は,コロナ開けに備えて,力を蓄える年と位置づけられそうです.

総括すれば,東京オリンピック2020は蓋を開けたら.『国対抗のパンデミック退治』のオリンピックでした.後半戦の来年は日本が追い上げて,上位入賞することを願わずには居られません.日本が上位入賞を果たすための皆様方の『アフター・コロナへ向けての改革』参考になれば……と思いを込めて,弊社の特記事項をご案内致します.以下長文になってしまいましたが,最後までお読み頂き,少しでもお役に立てれば幸いです.


それは,昨年末3か月間だけ指導した中国国営企業が,新型コロナの中で,独自の改革推進体制をとり,自力で『Jコスト改革』を成し遂げたというものです.そのやり方は,各組織が本来業務を真面目に遂行したというものであり,何処の会社でも成し遂げることができるやり方なので,ここで紹介し,弊社のお歳暮としたいと思います.以下順を追ってお伝えしましょう.


[1] 弊社のそれまでの中国企業への関わり状況

拙著『考えるトヨタの現場』『トヨタ式現場の人材教育』『トヨタ式カイゼンの会計学』の中国語版がご縁となり,ここ10年ほどは,年に20〜30日間ほど中国に出張し,『講演会』や,現場改善の指導をしてきました.

日系企業からスピンアウトした若手コンサルの会社『佐吉諮問』が,弊社の中国代理店的な役割を担って頂き,南京の国営企業『SUMEC社』や,杭州市にある大手監視カメラメーカー『Dahua社』などの現場改革のお手伝いをやってきました.

当時各社は事業拡大に勢力を入れていて,PL(利益計算)重視の弊害を是正には本腰を入れていず,日本の大企業と同じように業務が『購買』,『営業』と副社長クラスから縦割り組織になっていて,その組織のKPIは『支払い費用の低減』になっていた為に,各組織の人達は,少しでも費用を安くすることで組織間の覇権争いをしていました.

原材料の仕入れを例にとれば,1トン単位の購入よりも,100トン単位の購入の方が値下げの要求が容易です.購入した原材料を消費するのに半年かかろうが1年かかろうが,仕入れ単価が安ければ,購買部門としてのKPIは向上し,会社への貢献と評価されるわけです.

高度成長していた当時の中国では,問題が顕在化しませんが,日本のように成長が落ちてくるとそれぞれが安く……安く……とする結果として在庫量が増え資金繰りが悪くなり倒産の危機を招くのです.資金繰り(全体)は社長の責任で支払費用(個別)は各担当の責任という,部分最適と全体最適の分離が始まります.大企業の業績が悪化するのはここにあるわけです.

そして2018年頃から米中貿易摩擦が始まりました.その結果,中国の対米輸出は減り,在庫が問題になるようになってきたのでした.


[2] 出会いは『Lean-Summit In Shanghai 2019』

中国での精益活動を主導している趙克強博士のお招きで,毎年6月に行われる恒例の『Lean-Summit』の前座として『Jコスト論』の講習会を丸1日掛けて実施しました.たまたま出席していた河南省にある中国国営企業『K社』様の董事長と総経理が,自社の改革に使えると判断され,話はとんとん拍子に進み,先ず半年間で5工場の改革を手掛け,その進捗を見て全工場に展開するという合意を得ました.9月に2日間掛け『トヨタ生産方式』と『Jコスト論』幹部研修会を行い,第一期として10〜3月,毎月5日間で5工場を現地指導する形で『棚卸資産回転数(基礎収益力)』向上改革活動に着手しました.

[3] 全く新しい改革の取り組み方

国営企業『K社』様の改革への取り組みは,従来と全く異なったものでした.以下順を追ってご説明します.

3-1. 明確な改革目標

取引価格は現状のままで,仕入れから販売までのLead-Time短縮(棚卸資産圧縮)を追求し,下記の基礎収益力向上をはかる.

\begin{equation} \text{基礎収益力} = \text{粗利} \div \text{棚卸資産} \end{equation}
サブテーマ
\begin{equation} \text{棚卸資産回転数} = \text{売上原価} \div \text{棚卸資産} \end{equation}
参考
一般には改革目標は『生産性向上』という曖昧なものに成り,中身は原価低減・工数低減・可動率向上・正味作業時間等々,活動の的が絞れず,以前やった改善を並べお茶を濁す事が多かった.

3-2. 推進体制 経営会議場を使ってTop自らが陣頭指揮する

議長董事長,総経理
事務局経理部長(女性)
参考
一般には,議長は生産性本部長(平取),議事進行は課長クラス.工場長は会場にいるのみで,実施事項の説明は工場改善Teamの係長クラスが行い,その内容はミクロ的に見た,ある工程の工数低減だったり,ある設備の故障率の低減などが主体で,工場長が管理すべき財務会計的な改革の評価は無いのが普通.(経理部はモノづくり改革運動に関与しない)

3-3. 具体的な進め方(会議室編)

  1. 経理部が財務会計計算から,先月の会社全体の進捗状況と,各工場の棚卸資産額・回転数の実績を総経理に報告する.
  2. 各工場長は自ら先月の取り組み状況を説明した上で,今月の取り組みと,目標に対する達成見込み状況を自ら総経理に説明する.
  3. 弊社が出席している場合は,改革の進展に合わせた注意事項や他社の参考事例の紹介等をする
  4. 総経理が各工場の進捗を評価し,董事長の訓話で締める
参考
一般には,各事業部を横並びに見る生産本部長には,工場長を査定する権限が無く,課長層や職長層にADVICEするだけである.工場長の直属の上司はボードメンバーの事業本部長で,各事業本部長は社長の前で,PL(売上や収益)で競って居て,BS(在庫量や資金繰り)は通常話題にしていない…….工場長の中には,会計オンチな人も居る.それ故,Lead-Time短縮や在庫低減と言った,企業体質(BS)向上への取り組みは,遅々として進まないのが各社の実情(これは日本も同じ).それ故,K社様の取り組みは画期的と言える.

3-4. 現場指導編

  1. 工場長(or責任者)が,現場の現状と改革の取り組みを現地で説明
  2. 弊社の指導は,以下の考え方で行った

    中国には,飢えている人に

    @ 釣った魚を与える:依存心が生まれてしまう
    A 魚は与えず吊り具を与える:壊れたらお仕舞い
    B 吊り具の作り方も教える:自立できる

    という諺があります.

    弊社はBの方式を採用し,漁場(現場)で魚(解決すべき課題)を見つける訓練をし,吊り具(解決する方策)を工夫させ,釣り上げて(問題解決)させて自信を付ける……という指導をしました.

    具体的には現場での説明に対して『何故』『なぜ』『ナゼ』『Why』……と徹底的に質問して行き,『現地』『現物』を見,その背景にある『実情』を聞きだし,それによって歪められている『実態』を確認します.その『実態』『是』としてしまえば,『ミイラ取りがミイラになった』事になります.『上に政策あれば下に対策あり』の言葉通り,あるべき姿に向けての道を探っていくと同時に,粘り強く『実情』を変えていく努力も続ける……事を教え込みます.

  3. これにより,『自ら考え,自ら成す』人材を育成もして行きます.
  4. *『K社』様では,Topである董事長か総経理のどちらかが同行し,現場の実情・実態を把握した上でTopとして社内の制約条件の見直しを進めて居ました.

上記で,*印が『K社』様で初めて実現したものです.


[4] 新型コロナ発生!連絡途絶えるも,自力で目標達成!

10・11・12月と指導会実施し,順調なスタートを切りましたが,2020年1月から,新型コロナの発生で中国への渡航ができなくなりました.2〜3月は非常事態で,中国国内でも『K社』様と『佐吉諮問』の間の連絡もままならない状態になりました.4月以降は,危機は収まったものの人的移動は憚られたので,リモートワークを使って 河南省の『K社』様が上海の『佐吉諮問』と連絡を取り,時には日本の弊社にまで質問が届きながらも,ほぼ自力で成果を上げて行き,着手1年で所定の成果を上げました.


[5] 中国全土に向けて改革成果発表

董事長が中央政府と関係が深いこともあって,中国全土の『ものづくり改革』の参考になるとして,ネットを使って今回の活動の自動車事業部編を公開しました.

図1 発表内容(リンク有効期限不明)

中身は中国語ですが,先ず女性の経理部長が登場し,2000年から自動車部品生産に参入し急成長を遂げてきたが,ここ数年は成長が鈍化し,在庫が気になる状況になってきた.新しい管理方法を探していたところ『Jコスト論』に巡り会った.昨年6月,上海でその研修会に参加し,導入を決めた.社内の推進体制を構築,9月から導入し改善活動に入った事を説明しています.

後半になって,自動車部門の事業部長(男性)が登場し,推進組織と具体的活動を説明,ある製品はTotal Lead-Timeが改善前285Hだったものを129Hに短縮した.その結果,基礎収益力が6.9から14.7まで向上させることができた……と発表しています.

図2 改善前後のJコストモデル図

ここで言うTotal Lead-Timeとは,原材料検収から完成品納入までの所要時間で下記式から計算できます.

\begin{align} \text{Total Lead-Time} &= \text{棚卸資産} \div (\text{売上原価} /\text{日}) \cdots\cdots \text{日単位} \\ &= \text{棚卸資産} \div (\text{売上原価} /\text{稼働時間}) \cdots\cdots H\text{単位} \end{align}
\begin{equation} \text{棚卸資産回転数} = \text{年間稼働時間} \div \text{Total Lead-Time} \end{equation}

日本企業の年間実働250日で1日16時間稼働とすれば,4,000時間/年です.発表にあったTotal Lead-Time 129時間は棚卸資産回転数31回/年に相当します.


一方,『佐吉諮問』からは,各事業所の棚卸資産回転数の月々の推移グラフが送られてきました.自動車部品事業では下図のようになって居ます.

図3 事業所全体の棚卸資産回転数の月々の推移

図から,事業所全体の棚卸資産回転数は,1年間で5.5回/年から7.2回/年へと,新型コロナによる大減産を経ても,目標通り30%向上していることが分かります.

皆さまの会社の現状は如何ですか……自社の財務諸表を出して計算してみて下さい.計算した上で,以下の文章をお読み頂くと,弊社がお伝えしたいことの真意をご理解頂けると思います.


[6] 弊社のコメント

6-1. とてつもない大改革です!!

ここまでにご覧頂いた資料は,現地に行けない状態なので,あくまでも伝聞情報です.図3にある棚卸資産回転数の推移を見てください.年間6回転から8回転というのは,日本で言えば中位の改善進んだ企業という位置付けになります.皆様の会社の今年に推移と比べてどうでしょうか?

1番凄いと思われるのは,新型コロナの中で,2〜4月は出荷量が大幅に減ったと思います.日本の自動車は40%減でした.中国でもほぼ同じ減産であったと聞き及んでいますが,その中にあって,改善着手時の『5.5回転』に踏み留まり,今年後半にはどんどんと在庫を減らして行き,5月から10月までの半年間で着手前よりも30%も回転数を上げたということです.中国に於いては自動車の売れ行きは好調だとされていますので,おそらく来年末には事業部として年間12回転まで持って行くでしょう.

貴貴社と『K社』様の,2020年度の棚卸資産回転数の推移を是非比べてみて下さい.

日本の企業では,回転数の絶対値が『K社』様よりもっと多いとしても,殆どは春からドンドン悪化していって居ると推察されます.今年末に年初の回転数まで戻っていれば,優良企業として『◎;二重丸』どころか『花丸』で評価されることと思います.

多くの日本企業は,コロナの影響で減産になった時にはかなり在庫を増やしていると思います.そして稼働率を上げるために,つまり会社としての利益を確保するために,その在庫をなかなか減らせないでいるというのが実情ではないでしょうか?

第2図の重点推進モデルとした製品の『Jコストモデル図』を見ますと,余りにも早く納入されていた原材料を,生産日に近づける改善をした事が分かります.ICTを駆使すれば,納品先(自動車会社)の生産計画で自社の原材料の枠取りをしておき,本番では得意先での自社製品の減り具合に合わせた『後補充生産(電子かんばん方式)』に近いSystemができるのですが……,現在日本でトヨタに納入している優良メーカーが,30〜40回転ですから,この部品生産で,そのやり方のひな形ができた(急所が分かった)という理解もできます.

弊社としては,早く現地を見て確かめたく思っております.


6-2. 中国の一般市民の活力を知るべし

幕末,ペリー艦隊に招待された江戸市民が,翌日模型を作ってきて現物と見比べていた.将来日本はアメリカにとって代わるのではないかと,ペリー提督の日記に書いてあったと聞いたことがあります.太平洋戦争後,支給された小麦粉でパンができると,伯父が両側に銅板を張った箱に重曹を入れてこねた生地を入れ,電灯の電源で焼き上げたものをご馳走になった記憶があります.今の日本にはそのような知的好奇心やバイタリティが欠けている気がします.

中国行って珍しいものを見ました.写真1は二輪車に取り付けた雨傘です.写真2は寒い中国の通勤に使う手作りの風防用半纏です.

図4 二輪車に取り付けた雨傘
図5 二輪車に取り付けた風防用半纏

中国の街を歩くと,このような自分たちで工夫した様々な道具や料理に出会います.彼らは困ると何でも自分で作って問題解決します.『上に政策あれば下に対策あり』という諺は,実態をよく表現しています.

今の中国の活気はこの市民の『知的好奇心』や『バイタリティ』から来ていると思います.我々も何とかして,この市民の『力』を取り戻したいものです.


6-3. 中国人は東に住んでいるユーラシア大陸人……日本人は島人

中国に出入りし接した『中国系企業』も,『外資系企業』も,1人ひとりの仕事と責任は明確になって居て,成果は週単位で明確に評価されて居て,差は感じませんでした.

中国人の生活は,北部では主食は小麦粉で,肉を食べ,家の中では土足で椅子に座りベッドで寝て居て西欧と同じです.国境で他民族と接し,いざ戦争となれば,歩兵軍団と,騎馬軍団と戦車軍団が,将の命令で統率の取れた動きで闘います.この点はヨーロッパの民俗と同じです.

ただ東洋の文化として,身分の差が激しくかんがんなどという身分さえありました.女は男の所有物で,てんそくなどという風習もあり足が小さいほど美人とされていました.1949年の共産党革命によって,身分の差,男女の差を取り除かれた後,学校教育で徹底して男女平等を教え込んできました.もともと中国語には,男女の差や敬語はないので,男も女も上司も部下も納得するまで議論し,この点も西欧と同じです.

工場では女性は化粧していないので,丁度中学校の教室の雰囲気です.中国語の分からない者から見ると,言語能力に優れた女性陣が優勢に見えます.

因みに日本の工場での会議に,女性の姿は在りませんから,日中のものづくり産業の活力に差の一因は,『女性活用の差』にあると確信しています.

更に加えると,大学入試は1年に1回しかないそうで猛勉強しています.大学で勉強しようとしたとき中国語の文献が少ないので勢い英語文献に頼っていきます.スマホへの入力はアルファベットでしかできません.国内に外資系企業がいっぱいある等々,英語が浸透しています.現に通訳が席を外すと中国人は英語で話しかけてきます.要するに大卒の中国人は英語がペラペラなのです.それで,ネットを使って瞬時にして世界の最新情報を手に入れています.そのことを我々は考えておかねばなりません.

それ故,中国人を日本人と似ていると考えるのは間違いで,競い合う多民族が入り組んで住むユーラシア大陸人で,たまたま西に住んでいるのがヨーロッパ人で,東に住んでいるのが中国人と考えるべきです.

日本企業と中国企業の違いを感じた1つの例を説明しましょう.

Lead-Timeを減らすために,個々のSupplierからの直納をやめ,ミルクラン集荷を提案し時のこと,女性を含む数名の部長が,机を叩いて大議論を始めました.通訳は,「怒鳴り合い」に聞こえるかも知れないが,熱心に議論しているだけだと教えてくれました.程なく総経理を呼んできて,そこで又大声での激論が始まりました.最後に総経理から『斯く斯く条件でミルクランをやれ』と言う,具体的な業務命令が出されました.この間約2時間.翌週から実施されました.

その道のプロとしてヘッドハントされてきた人材が各機能の部長職に居るので彼等の合意が自社のその時の最善策であり,やるか否かは総経理が決める.そして,即決即断こそが企業経営の要という明快なLogicで運営されていました.


6-4. ここまでのまとめ

長い文章になってしまいましたが,中国企業が最近まで,安い人件費を武器に放漫な管理でも世界市場で有利な戦いをして勝ち進んできました.相手の米国は,多額の貿易赤字を抱え,失業者が出たとして悲鳴を上げ,2018年から米中経済戦争が始まり,中国からの輸出が滞り始めました.

共産党政権ですからウルトラCの手法を繰り出して国内経済は維持すると思いますが,個々の企業にとってみれば資金繰りが問題になり,今までのような放漫な経営では成り立たなくなります.

今回紹介しました『K社』様は,これを先読みし,在庫を絞った筋肉質の体勢に変えるにはどうすれば良いかと探し,弊社の『Jコスト論』に辿り着いたのでした.

『K社』様の強みは,董事長・総経理・経理部長が同じ問題意識を持ち,真剣に『Jコスト論』を学び,自ら先頭に立って会社組織を挙げ,一丸となっての改革を指揮したことです.その結果,従来の悪癖であった各工場(各事業部)をPL競わせる事をやめ,『棚卸資産の削減』という1点で競わせる事になりました.


⇒【購買】⇒<原材料在庫>⇒【製造<仕掛在庫>】⇒<完成品在庫>【営業】⇒客

上のフローで,【購買】や【営業】の事務処理は確かにまとめて行えば効率的に見えますが,今はERP(業務用Computerソフト)が処理します.全体を見れば,【購買】,【製造】,【営業】の3者が同じ速さであれば,在庫減ることは誰でも分かることです.それ故,最後のお客様が買って頂く速さに合わせて【購買】,【製造】,【営業】の業務を行えば棚卸資産は最小になります.

会社経営の現場では,様々な事情が入り組んでいて図のような単純なものではありませんが,『K社』様のTopはこれを経営の場での舵取りのノウハウとして掴んだということです.2021年度は,各業界のプロとしてヘッドハンティングされてきている【購買】,【製造】,【営業】の長が,これを競って具体的な実務体系へ展開していく事でしょう.

中国人はユーラシア大陸人だと言いましたが,その意味は,日本人なら生涯会社の為に滅私奉公するのですが,『大陸人』は『K社』様での業績を売りにして,更なる高みを目指して転職して活躍し,業界として幾何級数的高度化していく事が予想されると言うことです.まもなく迎える2021年では,中国はafterコロナ時代に入ったとして,飛躍的な発展を留めていくことと思います.一方我々はそれを,指をくわえて見ているわけにもいきません.我々日本人はどうするかについて,新年のご挨拶でお話しすることにします.今日ここに書いたことをお読みいただき,年末しっかりと来年度の貴社の取り組み方をお考えください.


最後に1年間のご愛顧ありがとうございました.皆様良いお年をお迎えください.そして,新しい日本を構築しましょう.

皆様良いお年をお迎えください.


2020年12月
(株)Jコスト研究所 代表 田中正知